監査法人への入社時、どの事業部を選ぶべきか

公認会計士の就職
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監査法人入社時における疑問質問

短答を突破し、論文合格・・・針の穴にようやく糸が通ったと思ったら、そこからは怒涛の就活で監査法人が決まります。そして入社。在学中合格であれば非常勤でしょうし、無職専念なら常勤での採用でしょう。いよいよ会計士としてのキャリアがスタートします。

さぁがんばるぞ!と思うものの・・・一体、「監査法人」で何をするのでしょうか。「監査でしょ」と言われても、その「監査」をどのようにするかイメージが。あと「配属事業部」の希望を出せと言われても、どの事業部が良いのやら検討もつかない・・・他にも、業務の忙しさってどのくらいなんだろう、入社前にすべきことって何だろう・・・etc…

疑問、質問は次々出てきます。勤務してしまえば、結局クリアになるのですが、せっかくなので、この記事では、そんな「監査法人のお仕事」についてご紹介します。今回は、特に「配属される事業部」についての記事となります。

受験生の方は頭休めに、論文合格者の方はこれから行う業務イメージを持つために、ごゆっくりご覧ください。

なお、これは私が監査法人にいた頃なので、もう1x年前の話となります。コロナでリモートワークが主の現在、状況が違うところも多々あると思いますので、ご参考程度に。

監査法人入社時にどの事業部を希望すべきか

さて、入社するとまず何をするのか。社会人マナー等の研修等(名刺の渡し方とか)があります。インサイダーの話とかもあった気がします。一度、社会人経験があれば、そのあたりは正直、やる意味あんの?的な感じですが。

それより、大事なのは「どの事業部に所属されるか」でしょう。おそらく、入社前に希望を出すかと思いますが、希望どおり配属されるかは運次第。ちなみに、私の頃は、国内事業部が普通に人気で、その次が国際だったかなと。金融は人気薄でした(少し専門性が必要)

入社する前、「公認会計士の仕事」や「キャリアイメージ」をある程度持っていたとしても、いきなり監査法人への入社⇒どの事業部に行きたいですか?と言われましても・・・と言う人も少なくないのでは?では、どのように監査法人における「事業部」の希望を選べはよいのでしょうか?

配属希望の事業部の決め方

監査法人でどの事業部にするか、配属希望の選び方はいくつかあります。そのあたり、ざっくりご紹介します。

法人説明会、事業部別説明会の印象で決める

通常はこの選び方になるでしょう。論文試験後、9月からは各法人の説明会が活発になります(法人説明会のセミナーエントリーの記事はこちら)。やはり、HPで見るだけではイメージが沸かないものなので、可能な限り、各法人の説明会へ参加し情報収集することをオススメします。

ただ、どの事業部も人が欲しいため自分の事業部の良い話をしてくるかと思います・・・

既に勤務している知人に聞く

これが一番信頼できるソースです。どうしても、リクルーター等は、自分の所属している事業部を押す傾向が否めません。それが、知人であれば別です。事業部の雰囲気、業務内容、大変さ等、リアルな情報を聞くことができるはずです。特に「業務内容」「大変さ」は事業部によって結構異なります。例えば、国内事業部xIPO、国内事業部x金融事業部・・・等。いろいろ聞いて、比較することがおすすめです。

ただ、そういった情報が気軽に聞ける知人が複数名いることはなかなかありませんが。

SNS等を利用し情報収集し決定

私も情報を流している一人ですが、広く、大量の情報を収集できるメリットがあります。この点は、知人がいてもいなくても関係ありません。まさに、今ならではの情報戦ですね。

しかし、情報の信頼性、確度の問題があります。個人的には、5割程度の感覚で利用するくらいかなと(自分で書きながら思っています)

自分のスキル(英語)を活かす

英語のスキルUP、J-GAAP、US-GAAP、IFRSを経験できるのが魅力
直接的には英語のスキルを指します。監査法人だからといってどの事業部でも英語を使用するかというとそんなことはありません。むしろ、大勢はドメスティックな対応で十分です。ただし、国際事業部だけは別です。

私も所属していましたが、国際というだけあって、クライアントが外資、US上場、IFRS対応案件が多々あります。日本基準とのGAAP差検証が必要となるリファードジョブもあれば、PCAOBの対応、上司が外人、会話も英語という現場もあります。監査はもちろん、英語を生かしたい!ということであれば、是非、希望してみてください。

なお、国際事業部と言っても、クライアントによっては、せいぜいメールのやりとりだけが英語というケースもあれば、海外取引が多くバウチャーが英語以外の言語(オランダ語やフランス語、韓国語etc…)なんてこともあります。現場のインチャージ、EMが外人ということも。必要に応じ、google先生にお世話になりながら、業務を進めることになるでしょう。いずれにせよ、他の事業部より英語を使う機会が多いのは間違いない、それが国際事業部です(裏を返すと、「英語を生かしたい!」という人は、国際事業部以外では物足りないでしょう)

なお、J-GAAP以外の知識+英語スキルということで、大変なことは言うまでもありません。

将来の転職を見据える!

転職市場で求められる貴重なIPO経験を積める
コンサルや一般事業会社への転職を将来予定している場合、IPO事業部も選択肢としてはありでしょう。転職する際の求人を見ると「IPO経験者」が条件になっているケースが多々あります(監査での経験含む)。通常、IPOは経験できても勤務している自分の企業のみ(1社のみ)が普通です。それが、監査法人の場合は、複数社の経験を積むことができます。

なお、転職後の報酬面について参考までに。報酬の多寡は、転職先のIPO準備企業がどのステージか、自分が転職(=Join)したタイミングによります。アーリー~ミドルステージであれば、SO含む報酬の期待がある一方で、IPOの実現可能性の困難さを伴います(永遠のIPO準備会社なんて揶揄されている会社もありました)。一方で、レイトステージであれば、IPOをほぼ確定ですが、報酬のうまみが少なくなります。

いずれにせよ、これは将来転職時の話ですが「IPO」経験者の需要は転職市場において意外にあります。そこを見据えて事業部選択をするのも一つでしょう。

なお、IPO準備企業の経理体制、SOX体制は想像以上にグチャグチャ、ゴタゴタということも少なくありません。何より、企業側のマンニングもタイトなので、そのあたりの大変さは他の事業部以上にあります。

将来転職予定(よりニッチ市場狙い)

IPO経験者の転職市場における需要は前述のとおりです。ただ、それよりさらにニッチ市場を狙うなら、金融やパブリック部門があります。この二つは拠り所になる会計基準に特殊性があり、監査でもより専門性が求められます。ゆえに、転職市場で求人が出た場合、そもそも申し込める人間が少ないため、希少価値が高い=高い報酬が期待できるというわけです(特に金融)。(なお、法人によりますが金融事業部の場合、専門職の手当がつくろころも)

ただ、ニッチなゆえに、転職市場においてピンポイントで行きたい企業があるか?は運次第。

どうしても決められない!

ベタだけど汎用的な知識が身につく国内事業部

いろいろ説明を聞いてもイメージが沸かない、逆に悩んで決められないというケースもあるでしょう。その場合は、とりあえず「国内事業部」という選択もあります。というか、結構多いと思います。クライアントの絶対数も多いので、人自体も必要としています。また、一般事業会社の監査経験は、将来、転職する際にも非常に役立つでしょう(応用がききやすい、つぶしがきく)。

なお、監査法人によっては、国内事業部の内、製造業中心の事業部とそれ以外の事業部のように分かれているケースもあります。ちなみに、ありがちな「この企業の監査に行ってみたい!」的なノリで事業部を選ぶのは危険です。その企業以外にもクライアントは多数あり、行きたいと思う企業にアサインされるのは、なかなか難しいためです。

監査法人でどの事業部に配属希望を出すべきか


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“監査法人の配属事業部選び方”
・英語を生かす⇒国際事業部
・転職前提で一発稼ぎたい⇒IPO
・ニッチを攻める⇒金融、パブリック

・まずは働く⇒国内事業部

いろいろ書きましたが、個人的には「法人説明会」「事業部別セミナー」でいろいろ話を聞き、興味を持った事業部へ希望を出すのがベターかと思います。ただ、前述のとおり、現時点で既に将来を見据えた特定の目的がある場合は、その限りではありません。

実際、事業部選択までは少し時間はあるでしょうから、いろいろな情報を収集しながら、決めてみましょう。なお、配属された後で事業部を跨いで異動というのはゼロではありませんが、多いのは、監査部門⇒アドバイザリー部門等のケースで、監査部門⇒別事業部の監査部門というのはあまり聞きません。そのため、配属事業部の選び方はある程度、慎重に。

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