会計士試験後の就活|大手か中小かどちらの監査法人を選ぶべきか

公認会計士の就職
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会計士試験後の就職活動は大手か中小か

さて、早速ですが、会計士試験合格→監査法人のキャリアを目指す場合、どの監査法人に就職するかがやはりポイントとなります。ここでよく論争になるのが「BIG4(大手)」か「中小(準大手、他)」かという話です。今回はその点に焦点を当て、比較ポイント別にご紹介します。ご覧いただければ、ご自身の方向性が見えてくるはず!


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会計士の就活 BIG4対中小|激務比較

これは、いろいろなサイト(就職・転職サイト等でも)言われていますが、「BIG4より中小が激務」等のコメントは、一理あるものの厳密には正しくないでしょう。

勤務したことがあればわかりますが、結局のところアサインされるクライアント次第です。まず、監査法人に入社すれば、教育等を受けた後に、新人は監査チームにアサインされます。その監査チームがどこか、どの程度の規模か、チーム人数、決算期等によって、激務の度合いは変わるということです。

例えば、売上1兆円以上、監査チームが20~30名、3月決算の場合と、売上30億程度、監査チーム4名、3月決算の場合では、一人当たりが行う業務量や質が変わるということです。

また、監査法人は季節労働者とよく言われます。これは、四半期及び年度決算の都度、繁忙期になるが、それが終わると固めて休みを取得する等の傾向からです。働く時に集中して働いて、終われば2週間一気に休むということも可能です。しかし、もしあなたが、3月決算の監査チームと7月決算の監査チームにアサインされたなら、繁忙期がずれてやってくるため、このような休みの取り方はできないかもしれません。つまり「激務」となるでしょう。

これは、大手であっても中小であっても同じ、結局、「アサインされるクライアント次第」ということです。

ちなみに、近年はリモートワークが主流になり、また、土日は社内イントラに接続できない、強制切断によって、業務ができない=ワークライフバランスを徹底する動きがあります。その点、昔のような土日徹夜残業という軍隊のような激務はもうないでしょうから、安心してください(多分)。

なお、もう一つ激務になるかのポイントがあります。これは、BIG4でも中小でも同様です。入社して数年後の話ですが、それは、主査(=インチャージ)をいつ任されるかです。私の頃は人不足もあり、4年目のシニアの時に昔のマザーズ上場1社と、会社法1社のインチャージをすることになりました。

その場合はまさに「激務」でした。監査計画から上場している場合は財務諸表監査+J-SOXあり、年間通じての監査実施と、監査意見の形成、社内的審査調整、クライアントの経営層との折衝等、実務担当としてフル稼働です。若くして貴重な経験をできる一方で激務になる、トレードオフの関係ですね。これは、どちらを取るかでしょう(というかアサイン次第なので基本、選べませんが)。

会計士の就活 BIG4対中小|採用人数と1人当たり業務量

BIG4対中小で比較した場合、どうしても圧倒的にBIG4が採用人数は多くなります。もちろん就職市場の環境によりますが、BIG4各社が数百名規模で採用するのに対し、中小は数十名から数名となります。ただ、BIG4にせよ中小にせよ、結局は「就職市場」に大きく左右されるのが監査法人です。

昔の話ですが、「来年はxxだから人が必要、大量採用!」かと思えば、「採用しすぎたかも。来年は減らそう」みたいなことが平気でありました。そもそも、監査法人で働き続ける人は、肌感として2~3割程度なので、人材計画が難しいというのもありますが。

いずれにせよ、採用人数はBIG4が圧倒的に多いが、採用人数総数は就職市場に想像以上に左右されるということです。

ちなみに、前述の「激務比較」にも関連しますが、大手に比較し採用人数が少ない中小法人は、1人当たりにアサインされる業務量が多いという意見もあるでしょう。しかし、見方を変えると大手は中小よりも抱えているクライアント数が圧倒的に多いです。クライアント数多=採用人数多、クライアント数少=採用人数少。

こう考えると、1人当たり業務量もそれほど変わらないと言えそうですが、個人的には少し異なる印象です。BIG4の場合、クライアント数に比し、必要人数<採用人数の傾向が顕著かなと。これは、クライアント数の増を見込んでいるのでその対応のためと同時に、論文式試験合格者もまずはBIG4で働きたいという人が多いのが要因でしょう。そのためか、大手の方が人余り(アサインされず事務所放置/今はリモートなので目立たないかもですが)傾向があると思います(もちろん事業部にもよるでしょうが)。採用したけど使いきれないパターンです。

一方で、私が知る中小法人は、必要人数>採用人数のケースが多く、人不足が年中続いている印象です。そのため、1人当たり業務量という点では、BIG4<中小というのが実態としてありそうです。

会計士の就活 BIG4対中小|報酬・給与

直観的にはBIG4(大手)=給与が高いと思いがちです。しかし、中小法人の採用ページを見てみてください。実は、それほど大きく変わらないところも多々あります。これは、限られた合格者を採用するために、給与面であまりに差があれば、その時点で大手に人が取られるためでしょう。そのため、「給与」という点のみなら、BIG4も中小も差になりにくいと言えます。

ただし、福利厚生は大きな差が見られます。この点は、企業規模に依存する部分もあるので、致し方ないでしょう。どこまで福利厚生を使い倒すかにもよりますが、あって損はないものですからね(私はほぼ使っていませんでしたが)。

会計士の就活 BIG4対中小|昇進スピード

こちらは明らかに中小の方が早いでしょう。私の同期でも中小であればパートナーになっている者がいます。BIG4ではシニアマネジャーまでです(2019年時点ですが)。前述の採用人数にもよりますが、昇進はどうしても相対評価になるため、競争人数に左右されます。その点で、競争母数の少ない中小の方がシニア、マネジャーへの昇進スピードは早いと言えそうです。

会計士試験後にどの監査法人を選ぶべきか まとめ

今回はBIG4対中小という視点でご紹介しましたがいかがだったでしょうか。賛否両論かと思いますが、個人的には現時点で特別の意思・考えがないければBIG4の監査法人から選んでおけば問題ないという考えです。もちろん、BIG4もそれぞれ特色(得意分野、抱えているクライアントの色)があり、そこからどれを選択するかがまた、大きな転機になります。これについては、実施されている「法人説明会」や「テーマ別・事業部別説明会」に参加し、自身のイメージを固めていくのがよいでしょう。

しかしながら、積める経験はどの監査法人でもそれほど相違ないと思います(同期知らべ)。むしろ、繰り返しですがどのクライアントにアサインされるかが全てです。こればかりは運頼みですが。

それでは、本日はこれまで。なお、私の経験、及び同期の状況等からの個人的見解である点、ご留意ください。

*会計士試験合格後のキャリアパターンを複数、こちらの記事で書いています。その他、就職に関する記事はこちらを合わせてご覧ください。

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