公認会計士試験の合格年齢は一層若年化!?連載③

合格率推移分析
この記事は約7分で読めます。
スポンサーリンク

公認会計士合格者の「構成比」を分析

公認会計士試験を目指す上でしっかり理解したい「合格率」ですが、それとともに、どのような「合格者」で構成されるかも気になります。つまり、「女性はどのくらい増えているのか?」や「合格者の平均年齢は?」といった話です。こういった情報は、これから会計士を目指す上で、「どのタイミングで挑戦すべきか」や、「いつまで挑戦すべきか」を考える上で、参考になる情報です。

ということで、前回に引き続き、今回も2002年から2022年までの21年分のデータを基に徹底分析してご紹介していきます。

①受験者数の推移 前回の記事
②旧試験から令和4年新試験までの合格者数及び合格率推移 前回の記事
③論文式受験者(申込者)を分母とした合格率推移 前回の記事
④論文式受験者(答案提出者)を分母とした合格率推移 前回の記事 
⑤論文式試験合格者に占める女性比率推移 今回の記事

⑥論文式試験合格者の年齢 今回の記事
⑦論文式試験合格者の会社員比率
⑧その他、試験の「誤記」「トラブル」等

上記の内、今回は⑤⑥についての検証となります。是非、最後までご覧ください。

公認会計士試験合格者の「構成比」の視点で見ていく

それでは、今回は「論文式試験合格者の構成比推移」を見ていきます。基礎データは2002年(旧試験)から2022年までの過去21年分ですが、開示されいる情報の関係で当該期間より短い分析になっている点はご了承ください。

*記載内容は、会計士旧試験制度の2002年~2005年、及び新試験制度の2006年~2022年(一部異なる)の21年間分について、公認会計士・監査審査会HPのデータを基に作成しております。個人で作成しているものなので、誤植などあれば、お知らせください。

クリックすると拡大
公認会計士論文式試験合格率推移 作成:CPA-MAP 参考:公認会計士・監査審査会HP
クリックすると拡大
公認会計士論文式試験合格率推移 作成:CPA-MAP 参考:公認会計士・監査審査会HP

公認会計士試験合格者の「男女構成比」からわかること

会計士論文式試験合格者の推移について、表中では男性=青棒グラフ女性=オレンジ棒グラフとなります。では、ポイントは下記です。

会計士試験最終合格者に占める女性割合は「約2割」

データは2006年から2022年までの値となります。おおよそ10人中2人が女性の合格者という割合です。他の士業でも女性が少ないケースは散見されますが、会計士に至ってはその傾向が顕著と言えそうです。近年、会計士協会を中心に「女性会計士を増やす」イベントや施策が見られますが、まだまだといったところでしょうか。

しかし、構成比の推移でみるとその取り組みの成果は、しっかりと見てとれます(後述)

2022年に女性合格者の構成比が最高値「25.8%」

前述で「女性会計士を増やす」試みがあると書きましたが、その結果は少しずつですが出ていると言えそうです。特に2019年あたりから2022年では合格者に占める女性比率が「24%~25%」と新試験制度移行以来の高い水準になっています。急に増やすことは難しいですが、会計士協会を含め、女性の裾野を広げる取り組みの成果が少しずつ出てきているようです。

ちなみに、女性合格者の構成比が最低値なのは2014年「17.2%」となります。

「女性受験者」の合格率と「男性受験者」の合格率は「ほぼ同じ」
クリックすると拡大
公認会計士論文式試験合格率推移 
作成:CPA-MAP 参考:公認会計士・監査審査会HP

黄色枠内に注目です。2019年~2022年までは願書提出者に占める女性合格者が公表されているので、男女別の合格率を算出してみました。

ぱっと見はほぼ変わらず、もしくはやや女性の合格率が低い結果です(過去4年平均では0.8%程、女性受験者の最終合格率が男性受験者のそれより低い)。とはいえ、この程度は誤差でしょうか。ちなみに、私見ですが「上位合格者」は女性が多い印象です(令和3年のトップ合格者も女性)。

いずれにしても、依然として受験者全体・合格者全体に占める絶対数は男性が圧倒的に多い状況ですが、合格率という点では、男女ともほぼ遜色のない結果と言えそうです。

公認会計士試験の「合格者年齢推移」からわかること

よく「合格最年少はxx歳」「最高齢はxx歳」といった情報が聞かれます。加えて「合格者の平均年齢」等は、「自身が会計士試験に挑戦するタイミング」を考える上で一つの参考情報になるでしょう。ここでは、そんな会計士論文式試験合格者の「年齢推移」についてご紹介します。

なお「合格最高齢」は青折れ線「合格最年少」はオレンジ折れ線「合格者平均年齢」は灰色折れ線となります。

クリックすると拡大
公認会計士論文式試験合格者年齢推移 作成:CPA-MAP 参考:公認会計士・監査審査会HP
クリックすると拡大
公認会計士論文式試験合格者年齢推移 作成:CPA-MAP 参考:公認会計士・監査審査会HP
これまでの合格者最高年齢は「67歳」だが・・・

合格最高齢は「52歳」の時もあれば「67歳」の時もあります。そもそも受験者全体に占める構成比が少ないこともありますが、合格年によってかなり「ブレ」があることがわかります。今後、67歳より上の年齢で合格者が出ることもありうるでしょう。

合格者の最年少は「ある程度下限」がある

一方で合格最年少は「17歳」です。他の年度も「18歳か19歳」あたりで、最高齢のケースと違い「ブレ」がかなり限定的です。これは、受験資格において年齢制限がないとは言え、義務教育等との関係もあり年齢の下限は限定的にならざるをえないことが理由でしょう。

なお、「公認会計士論文式試験に最年少合格」は「公認会計士に17歳でなれた」という意味ではありません。それは、「実務経験+補習所+修了考査」をクリアしているかどうかの違いですが、いい加減な資格紹介サイト等では同義に扱っているケースがあるので注意が必要です。

合格者の平均年齢は最低が「24歳」、最高が「27歳」

会計士に挑戦する者、又は挑戦している者にとって最も有用なデータの一つです。ここからわかるのは、①会計士受験者は若年層が大勢、かつ②会計士合格者も若年層が大勢、つまり③合格までの年数・回数は2~3回と推測され、④近年、若年化に一層拍車、ということです。

①②はよく言われますが、改めて実際の合格実績データを見ても裏付けられました。この点は、税理士試験(科目合格制や院免除の組み合わせ等)との違いが顕著なところです。

また、若年層の受験者が多いので合格者も若年層が必然的に多くなりますが、加えて「受験勉強期間が長期になる」ことは「合格に有利」ではないこと、つまり③の証明にもなります。それは、合格者年齢別の構成比で20歳~25歳の合格率が最も高いことから推測されます(開始時期にもよりますが、合格まで受験を4回~5回要すると20代前半の合格にはカウントされない可能性が高く、裏を返すと2回~3回の合格が多いと推測)。

ちなみに、近年は合格者年齢の若年化が進んでいる印象です。2016年~2022年までは平均年齢の上限が26歳という低さ、しかも直近2022年(令和4年)の合格者平均年齢は24歳と2008年からの推移では過去最低の年齢となっています。今後もより一層の若年化が進んでいくのでしょうか。

公認会計士はどのくらい難しいのか?|合格率推移と難易度 まとめ


 更新情報はTwitterで! 

 他の資格ブログは↓ 
にほん ブログ村

✓ 会計士の合格者構成は依然として女性が少ない(10人中2人)
✓ しかし、近年は女性比率が向上
✓ 合格者最高齢は67歳、最年少は17歳(2005年~2022年)
✓ 合格者平均年齢は近年、若年化(2015年/27歳⇒2022年/24歳) 

本日はここまで。続きのテーマについては引き続き次回。

<合格率分析シリーズ連載⑤本は下記リンクから>
★「公認会計士試験過去21年分の合格率推移徹底分析!」の記事はこちらから
★「公認会計士論文式試験の合格率を徹底分析!」の記事はこちらから
★「公認会計士試験に働きながら合格できるのか?」の記事はこちらから

★「公認会計士試験でも出題誤り頻発!?」の記事はこちらから

コメント

タイトルとURLをコピーしました