Q5.監査法人入社までにすべきこと

現役会計士へのQ&A集
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「とりあえず英語をやればいい」わけではない

Q.会計士試験後から入社まで、よく英語をした方が良いと聞きますが、それ以外にやっておけばいいことはありますか?

A.とりあえず英語より何より、エクセル、エクセル、エクセル。

会計士試験後、合否がわからないものの、再挑戦はしないと決めている人や、合格の確率が高く勉強再開は考えていない人等は、入社まで数ヵ月、時間があります。その時、せっかくならその時間を使って、監査法人に入社するまでに何かやろう!と考えるのは当然です。

では、何をやるのか?よく英語はやったほうがいいと聞くので、やるとしてそれ以外は?と。それに対する私の答えは、「いやいや、英語よりパソコン、特にエクセルのマスターでしょう」と。これは、監査法人への就職はもちろん、事業会社で経理系の業務を行う場合も必須です。

*大手or中小、どちらの監査法人に就職すべきか?はこちらの記事を

「エクセル」ってそんな重要だっけ?

もちろん、会計士試験に合格できるレベルであれば、業務の中でエクセルに慣れ、遅かれ早かれ十分対応できるでしょう。ただ、スタートダッシュが違います。

ここで、新入社員をアサインする側、インチャージクラスやマネジャークラスから考えると、使える新人をアサインしたいのは言うまでもありません。出来る新人にアサインは集中するものです。始めは横並びアサインでしょうが、すぐに差が出てきます。では、その差とは何か、それが顕著に出るのがPCの扱い、特にエクセルというわけです。

*小話
どの監査チームも新人は取り合いです。インチャージの意見もふまえつつそのエンゲージメント
マネジャーが取りに行く(調整する)わけですが、使える新人にアサインが集中するのは致し方ないこと。結局、競争なのです。。。

監査実務でのエクセル

昔は、エクセルの調書フォーマットがあり、それを使用して調書を完成、出力し紙で保存という流れでした。現在は、大手中心に電子調書の流れです。

監査調書の大枠は、目的、手続法、結果と結論を明示することですが、その中で、入手し、検証した監査証拠を保存することになります。そのデータは、紙資料もあれば、PDF、そしてエクセル形式があります。ただ、いずれの形式でも、検証、分析といった監査手続きを行うなら、データをエクセルに落とし込み、作業を行うことになるでしょう。そもそも入手データがcsv等の数値羅列のデータなら、なおさらです。

いずれにしても、PCの利用、特にエクセルにどれだけ慣れているかは、監査法人で働く上で非常に役立ちます。

どれくらいエクセルが使えればいいのか

これも良く聞かれますが、個人的にはせいぜいpivotまでで十分かと思います。

マクロもできた方がいいですか?とか聞かれますが、それほどできる必要はないと思います。理由の一つはメンテナンスです。マクロは、非常に作業効率を上げてくれますが、途中の過程を修正したい場合、他の人が作成したファイルを自分が修正するのはなかなかつらいものです。結局、メンテがされず、使われなくなる・・・ということもあります。

監査法人の場合は特に、アサインも変わればチームも変わるので、自分だけがわかるデータの残し方は、厳禁ということです。

*小話
私がインチャージをしていた頃、他のスタッフが作成したファイルをレビューで見ただけではわからず、他の現場にいるため電話で確認した・・・なんてこともありました。自分しかわからないデータの残し方は最悪なので、ご注意を。

ワード、パワーポイントはどうか?

エクセルはよく言われますが、他のワードやパワーポイントはどうなのか?

私の答えは、「そんなに使わないです」と。もちろん、契約書関連はデータならワード形式でしょうし、プレゼンはPPTでしょう。しかし、監査法人の監査部門の業務においては、新入社員が行うという点では、どちらも優先度はエクセルに比し、はるかに下がります。ワード形式のファイルを入手することはあっては、自身が作成する機会は多くないでしょうし、クライアントにプレゼンする機会なんて、さらにありません。

ただ、繰り返しですが、監査法人の監査部門の場合ですので、その点はご注意ください。結局のところ、ワードやパワーポイントについては、それほど気にすることはありません。

監査法人入社までにすべきこと まとめ

あめ
あめ

とにかくエクセルのマスターを!

ネットで見ると「英語をやるべき」と答えているサイトも多々ありますが、ぶっちゃけ、配属次第です。もしあなたが「国際事業部」のような外資、US上場、リファードジョブ等の企業を多く扱う事業部に配属なら、入手する監査証拠が英語、クライアント担当者や監査チームの上司が外人ということもあるでしょう。その場合は、「英語」の優先度が当然、上がります。

しかし、銀行等を中心とする「金融事業部」やドメスティックな企業中心の「国内事業部」、その他「IPO事業部」「パブリック部門」等の場合は、英語を使う機会は本当に限定的となります。

入社日までそれほど時間が多くあるわけでもなく、また、他にやりたいこともあるでしょう。そんな中で優先準備をつけるなら、「エクセル」。是非、初めて又は久々に業務でエクセルを使うなら、入社前までに肩慣らしをしておきましょう。

↓一般的なエクセルの使い方関連は書籍も多くあります。個人的にはその一歩先、エクセルを含むショートカットの使い方は後々、やっててよかったと思うはず。特に、自分がショートカットですぐできる作業を他の人がマウスでカチカチやられると・・・なので、今の内に習得をおすすめします

ショートカットキー時短ワザ大全


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