Q4.やり続ければ会計士試験に合格できるか?

現役会計士へのQ&A集
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「やり続ければ合格できる」という実は恐ろしい言葉

Q.会計士試験で不合格でした。次こそはと思うものの、信じてやり続ければ合格できますか?

A.ただ「やり続ければ合格できる」ということはこの試験ではありません。


いきなり厳しいコメントですが、事実をお伝えします。よく「自分を信じてやり続けたら大丈夫。私も合格できました」みたいなコメントがあります。もちろん、やり続けることは力になり合格が近づくことは間違いないでしょう。ただ、自分が合格できたから、他の人もそのままやり続ければ大丈夫!みたいなコメントは、少し無責任かなと。

考えてみてください。理解力も、勉強のやり方も、専門学校も、年齢も、挑戦した動機も、コメントした人とは状況が全く違う人間なんです。その言葉を信じて、5回、6回、7回・・・何度繰り返せば合格できるんでしょうか。

通常の試験であれば、やり続けることで知識が蓄積され、試験慣れもし、合格する可能性は高まるでしょう。会計士試験も同様に可能性は高まるはずです。しかし、この試験は、範囲も広く、改正もあり、
また、何より恐ろしいのは、新たに参入してくる受験者(=入門生)がものすごい勢いで伸びてくることです。

試験直前に過年度受験生に迫る、又は追い抜くことは多々あります。こうした試験において、「やり続ければ」と言う言葉は、安易であり、また、「撤退」の決断を妨げる恐ろしい言葉だと思っています。もちろん、やり続けることで合格した人もいるでしょう。しかし、その人以上に、やり続けても合格できなかった人がいることを忘れてはいけません。

「やり続ける」だけでは足りない

不合格だったから勉強法を変えないと!

そう思う人がいるかもしれません。しかし、それは人によって正しくもあり、間違いでもあります。どういうことか、それは「不合格の原因」次第ということです。

例えば、不合格の要因が「勉強量の不足」「試験当日の体調不良」等の場合はどうでしょう。この場合は勉強法が正しかったとしても合格が難しかったかもしれません。ただ、勉強法が正しいのであれば、変える必要はありませんね。

一方で、勉強時間はしっかり確保し挑戦したが、不合格だった場合。これは、勉強法を変える必要があるかもしれません。まさに「やり続けても合格できない」ケースです。

結局のところ、「不合格の原因」を知る必要があり、そのためにまずは原因分析・自己分析が必要だということです。にもかかわらず、不合格だったけど、やり続ければ合格できると自己分析、振り返りをせず先に進むことは危険です。

そして、改めて。もし「不合格の原因」が「勉強法」にあったとしたら、同じ勉強を繰り返してよいのか、振り返ることが大事です。いくら自分に合った勉強法であっても不合格では意味がありません。また、よくある「専門学校が合わなかった」という話。その専門学校から合格した人がいなければそのとおりですが、合格した人がいるなら、同じツール、情報を受けながらなぜ自分は合格できなかったのか、自己分析することが大事かなと思います。

合格率の小話.会計士専門学校の「合格率」「合格者数」の考え方に要注意

「合格率」は高い方が、「合格者数」は多いほうがいい話でしょ?

そのとおりですが、それは、各専門学校が「同じ条件、前提で集計・算定している」場合です。当たり前ですが、合格者を「答練一つでも受講したらカウント」か「一つの科目でも受講したらカウント」か「本科生のみカウント」では全く、集計の基礎が異なります。昔は、各校の合格者数を合計すると、その年の合格者数を超えていることも普通にあります。

字面でのみ判断せず、自分が知りたい「合格率」「合格者数」を専門学校のガイダンス等で確認の上、どの学校にするか選ぶことがオススメです。

やり続ければ合格なんて軽々しく言ってはならない まとめ


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もしも不合格だった場合、まずは振り返りをしっかりしましょう。とにかく、再スタートしたい気持ちを抑えつつ、まずは原因を分析し、それが勉強法なのか、それ以外なのか、特定を。

もし、勉強法だったらどうすればよいか?

見直すこと、振り返ることは山ほどあります。授業の受け方、復習の仕方、答練の受け方や復習・回転の仕方、入門期、応用期、直前期の過ごし方や、専門学校の選択・活用の仕方。すぐにでも勉強したい気持ちを抑えつつ、一度、足元を見返すことをおすすめします。その上で、自己分析の結果、もう1年の受験で必ず合格してやるという気持ちがあるならば、間違いなく今回の受験より次回の受験は合格に近づくことと思います。

安易な「やり続ければ必ず合格する」という言葉が自分の拠り所にならないように。冷静に自己分析を忘れずに。

*ちょっと気になる「現役会計士が答えるQ&A集」はこちら

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