会計士合格のために専門学校選びは命懸け
前回の記事を実践し、無事、両親の説得が終わったなら、いよいよ本格的に会計士試験挑戦の準備です。その最も重要な選択、それが「専門学校選び」。今回は、会計士試験を目指す場合、専門学校はどのように選ぶべきか、その方法についてご紹介します。
記事を読み終える頃には、あなたにとってベストの専門学校が決められることでしょう。
会計士の専門学校はどのように選ぶべきか|失敗しない選び方
まず最初に、『方針なくして選ぶ術なし』とお伝えします。
どういうことか、それは、『いろいろなパンフレットやガイダンスを見る前に、自分の中でどういう専門学校に行きたいか、行かないといけないのか、その方針を固めろ』ということです。
正直、自分に合う合わないは多少あると思いますが、いずれの専門学校も合格できないカリキュラムは組んでいないということです。提供される専門学校のカリキュラムを着実にこなせば、合格ラインまでは到達できるはずです。
それならどこの専門学校を選んでもいいということになりそうですが、問題は、最初に述べた『合う合わない』がポイントです。
いかに合格者を輩出するカリキュラムであったとしても、そのカリキュラムを自分が吸収できるかが問題です。それは、自分の努力もありますが、それ以外の要因も多々あります。そのあたりの要因を整理し、そこから自分の専門学校選びの方針・優先順位を明確にすることこそ、最良の専門学校を選ぶ術だと考えます。
では、具体的にどのようにその方針・優先順位を明確にするかを見ていきます。
会計士の専門学校を選ぶ時の方針・優先順位
それでは、自分自身の方針・優先順位を整理します。こちらは、ご自身の状況に応じ、人によって異なるかと思いますが、思いつく条件を例示します。
・通学、Liveの講義を受講したい
・費用を抑えたい
・通信をメインで受講したい
・自習室での勉強を中心に考えている
・基本は自宅、一人で学習することが前提
いかがでしょうか。自分はどの条件を優先するべきか、イメージできるでしょうか。ここで参考に私が受験を始める際に行ったの優先順位決定のプロセスをご紹介します。
私がどのように専門学校を選んだのか
・2年一人暮らし可能⇔全国どこでも引っ越す覚悟
・自宅だと勉強できない
・隙があると楽をしてしまう
・気になることはすぐ解決したい
・Live講義の緊張感がほしい
・勉強仲間を作りたい
・Live講義がメイン⇔録画×
・通学しやすい距離⇔家賃相場
・自習室が多い、教室環境が良い
・受講者が多い⇔勉強仲間を作りやすい
・講師陣の層が厚い⇔質問対応
見ていただくとわかりますが、そんな難しいことはしていません。ただ、これだけのことをするだけで、自分の専門学校選びの方針・優先順位が固まります。
例えば、Live講義をメインにするなら場所は首都圏か、関西圏、福岡あたりに絞られます。そこに家賃相場を考慮した通学しやすい距離に引っ越すとすれば関西圏、福岡。さらに講師陣の層、受講者層に注目すると関西圏に絞られるといった具合です。
そして、ここからさらに、自分の方針・優先順位に合致するかを確かめるため、個々の専門学校に関する情報を利用します。
専門学校選びの情報を収集する
会計士の専門学校について、調べるには様々な情報源があります。整理するとざっと以下のとおりです。提供される情報は同じ、それを自分がどこまで調べるか、入手するかの違いです。
・専門学校のパンフレット
・専門学校のガイダンス
・合格体験記
・既に勉強している友人に聞く
・合格者に聞く
・ネットの評判、情報・通学、Liveの講義を受講した
これで要素は出揃いました。あとは前述の自分の方針・優先順位の内容を具体的にこの情報源に照らし評価していくだけですね。なお、各情報源はメリット、デメリットがあるのでそのあたりを下記にまとめます。
専門学校に関する情報のメリットデメリット
専門学校のパンフレット
金額情報、通学可能な校舎、学習コース等の情報収集に利用。会計士試験なら、TAC、大原、LEC、クレアール、CPA等、まずはパンフレットを手に取ることが第一歩。これをやらない人はいないでしょう。
● メリット:手軽に入手でき、複数の専門学校を一度に比較できる
● デメリット:学習コースは複雑なものも多い。校舎の環境等もわからない
非常に有用な情報源の一つです。しかし、絶対にこの情報だけで決めてはいけません。他の有用な情報源も活用しましょう。
補足.会計士専門学校のご紹介
✓ 「非常識合格法」で有名
✓ 1年で一発合格を目指す攻めの講座
✓ 徹底した効率化、大手との違い
⇒当時、悩んだ学校の一つ。超短期合格を実現するために、カバーする範囲が狭くなるのは否めないが、はまれば強い印象。
専門学校の学校のガイダンス
パンフレットや合格体験記、ネット等である程度情報収集をした上で、それらの情報から、「わからないこと」を聞くようにすると非常に有用です。ありがちなのは、わざわざガイダンスで聞かなくてもわかることを聞くことです。それは、時間の無駄でしかありません。
ちなみに、私は、「会計士コースのこの入門コース、この校舎では、昨年の受講者数、最後の答練まで残った人数、短答合格者数、論文合格者数はどの程度か」等を聞きました。ざっくりな情報でも構わないという前置きをしましたが、学校によっては、非常に有用な情報が収集できました。
学校によっては、わからないとイヤな顔もされました・・・
● メリット:一般に公開されていない情報を聞ける、校舎の雰囲気も感じられる
● デメリット:ガイダンス担当次第。自分の学校の良いことしか言わない
各校舎に足を運ぶ手間はかかりますが、相応の効果があるとも言えます。しかし、情報の有用度合は、各専門学校のガイダンス担当に左右されます。当時、私がガイダンスを受けた際は、大原はバリバリの会計士講座講師が担当だったので、かなり深い内容が聞けました。一方、TACは事務員の方がそのまま説明され、正直、読めばわかる情報しか収集できませんでした。
合格体験記
各校の特徴がよくわかります。当時は、市販の書籍としても販売されていましたし、大原では校舎で無料配布されていました。今はわかりませんが・・・。
● メリット:実際の合格者のリアルな情報が読める、各校の特徴も感じられる
● デメリット:自分の学校のことを悪く書かない
それぞれのカリキュラム、それに対し、どのような勉強スケジュール、ボリュームで進めていけば合格したのか、合格者の言葉だけあって、非常に具体的なイメージがしやすい情報です。
ただ、合格者に聞いているため、自分が合格した学校の悪い点は、まずコメントがありません。その点は、必要に応じ他の情報を考慮するべきでしょう。
ちなみに、私が勉強を始めた時、講師に「合格体験記に載る予定なので、その時の講師コメントお願いします」といきなり講師に伝えた記憶があります・・・少しヤバイ奴でした。
既に勉強している友人に聞く
自分に近い境遇の友達ならなおさら有用な情報が得られるでしょう。正直、他の情報源は、多かれ少なかれ盛られた情報であることは否めません。それが、『友人』から聞くことで、本当の実態を知ることができるはずです。なかなか聞けない情報を収集するならこれでしょう。
● メリット:まさに今の学校の特徴が聞ける。受講者の状況、自習室環境等の情報も
● デメリット:合格していない人の情報
私も、自分より1年早く勉強を開始した前職の同期に、いろいろと話を聞きましたが、どれかでの情報が聞けるかは、相手との信頼関係にも依存します。ただ、まだ勉強中であり、合格していない友人が良いという学校が本当に良いかは疑問がありますが。
合格者に聞く
合格体験記とほぼ同じ評価です。ただ、実際に面と向かって話すことができるので、『あえて、ここは合わなかった、悪かったと思う点』を聞くことができるのは、 プラスになること間違いなしです。
● メリット:合格者のリアルな情報が聞ける。合格体験記ではなかった学校の悪い点も
● デメリット:合格者の知り合いが見つけにくい
ちなみに、私は勉強開始前はこの機会はなかったのですが、合格後に知人から話を聞きたいと言われ、情報提供したことがあります。もし、会計士の知り合いがいるなら、それが合格した年が近いならなおさら、受験の現実を是非、聞いてください。個人的には、実践できるなら最も優先したい条件です。
ネットの評判、情報
ほとんどの場合、匿名のため、まさに『本音』が聞けるのはこの方法でしょう。ただ、匿名ゆえに、自分のコメントに責任なく発言しているケースもあるので、信頼性に欠けます。
● メリット:学校の実態、良い点、悪い点をストレートに聞ける。自宅で気軽に
● デメリット:情報の精度が低い
合格者でないのに合格者と名乗るケースも相当数いるかもしれません。情報の見極めが重要です。結論、有用な情報が多方面から広く収集できるが、決して「ネットの情報のみで決定するな」ということです。やはり、情報の精度が担保されない以上、他の情報ソースと併用すべき点は注意です。
自分の方針・優先順位に照らし、専門学校を決定する
それでは、ここからは自分の方針・優先順位を考慮し、前述の情報源から入手した専門学校の情報を重ねて、専門学校を決定していきます。以下、私の場合です。
・Live講義、講師陣の層の厚さ
→パンフレットで科目毎講師数をCHK、ガイダンスでは勉強の質問対応体制を確認
→他、その学校で無職で学習している人の割合や一発合格の割合も追加で確認
・自習室環境
→校内見学。複数の校舎・多数の自習室解放状況を確認。
・通学距離等
→パンフレットの確認、実際にガイダンスで訪れた際に周辺環境の確認
上記の他、前述の合格体験記や既に勉強している友人への確認等も行いました。その結果、私は大原に決定したという流れです。
ちなみに、授業料をポイントにされる方もいるかと思いますが、個人的にはおすすめしません。考えてみてください、数万円違うだけで合格への近道になるかの岐路である専門学校の選択肢を狭めていいか。個々の状況はあるかと思いますが、授業料の高い、低いは優先順位を下げ、自分の納得できる専門学校を選ぶことをおすすめします。
会計士の専門学校の選び方 まとめ
いかがだったでしょうか。改めてですが、ポイントは下記となります。
② 専門学校に関する情報を可能な限りの情報源から収集
③ ①に各専門学校がどの程度合致するかを確認
④ 専門学校決定!
会計士合格のための道しるべたる専門学校。勢いで決めるのではなく、慎重に、納得いく学校を選択しましょう!
↓合わせて会計士試験過去20年の合格率推移についても下記の記事からご覧ください
補足.ブログの管理人はどの専門学校に通ったの?
最後に、改めてですが、実際に私が通学し合格した専門学校についてご紹介します。私は、【資格の大原】になります。関西の学校でしたね。もう10数年前の話になりますが、なぜ、【資格の大原】を選んだのかは以下の理由です。
✓ Live講義が充実
✓ 講師のフォロー体制が十分
✓ 通学しやすい距離で一人暮らし可能な場所に校舎がある
✓ 自習室等、環境の整備
✓ 実績、入門生の合格率の高さ
中でもポイントになったのは、講師陣の厚さと入門生の合格率でした。専任講師の安心感と、ガイダンスで説明していただいた先生からリアルな「入門生の合格率」を聞けたことです。
もともと、試験挑戦は一度と決めていたので、多少粗くとも「入門生の一発合格率」を知りたかったのですが、他の専門学校のガイダンスでは聞けませんでした。それが、ざっくりとでも聞けたのが大きかったと思います。
これから公認会計士の専門学校を探す、選ぶ方は、選択肢の一つに考えてみてはいかがでしょうか?
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