生講義、Web講義、それぞれの強みを理解した上で選択を
Q.「会計士の挑戦を考えていますが、生講義とWeb通信、どちらか迷っています。おすすめはありますか?」
A.両者比較をまず行って、選んでみてください。
さて、コロナによって状況が大きく変わっており、受験生のみなさんは、勉強するだけでも大変なのに、健康管理においてもこれまで以上に注意を払っているところでしょう。そんな中でよく聞かれる質問です。
正直、私は「生講義(Live講義)」オンリーの選択でしたが、今は、そうもいかない状況だったり、また、住んでいるところや費用、住んでいるところによっては、どちらか一方しか選べないということもあるでしょう。そのため、人によって判断が分かれるところですが、今回は私の判断基準、評価軸をご紹介します。
是非、会計士の勉強を始める前にご一読ください。それでは、いってみましょう!
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迷った時は、「比較」検討
選択に迷ったら、とりあえず両方の良さ、悪さを並べて比較してみましょう。まずはそこから。
あくまで私見ですが、以降、もう少し詳しく項目別に詳説していきます。
授業内容のレベル
内容については、「Web通信有利」と評価しました。
いやいや、授業内容はどっちでも同じでしょ?
という声が聞こえてきそうですが、実はそうではありません。授業内容が全く同じになるのは、Web通信の講師=生講義の講師だった場合だけです。Web通信の講師は、通常、都内の講師が担当していることが多いため、水道橋とか、そのあたりで通学している人は、差異は感じないでしょう。
ただ、地方の受験生は異なります。大阪や福岡あたりでは生講義を開講しているケースがありますが、その場合の講師は、もちろんその校舎圏内の講師です。テキスト内容等は同じでしょうが、その教え方は、講師によって変わる=都内Web講師と地方の生講義の教え方も変わるということです。
これは、非常に判断が難しいところ。私自身、大阪の学校で、生講義を受講し合格できた者なので、その点、差異はないと言いたいのですが、都内、Web通信担当の講師レベルが高いのは事実です。私の受験勉強時代、休んだ時にWeb講義を受講しましたが、教え方が全く違うとともに、科目によってはWeb講義の方が非常にわかりやすかったのを覚えています。
また、Web通信の場合、一つの科目に複数の講師設定をしているケースもあります。その場合、仮に「この講師の教え方は自分に合わない」となれば、他の講師へ変えることも容易でしょう。それが、地方の生講義となると、講師変更の選択肢もかなり絞られます(そもそも講師数が都内>地方ですから)
以上から、テキストや答練等の内容は同じでも、その教え方は講師で変わる、そしてその講師層の厚さ、選択肢の多さでは生講義<Web通信という評価になります。
授業料の金額
授業料については、両者ほぼ同じと評価しました。理由はシンプルで、どの専門学校も価格がほぼ同じだからです(若干、Web通信が安いか)なお、下記は2022年9月現在の大原、TACの授業料比較です(割引前、参考までに)。
ちなみに、他にもLEC、クレアール、CPA会計学院等、たくさん学校はありますが、大原、TACも含む各校とも多岐にわたるコース設定のため、逆に複雑、授業料がわかりにくいんですよ、、、これは、ガイダンスを受けて授業を選ぶこと前提なのでしょうね。ということで、とりあえずこの2校だけピックアップです。
通学時間の効率性
通学時間については、圧倒的に「Web通信有利」と評価しました。当たり前ですが、Web通信は場所を問わないところがメリットです。極論、歩きながらでも授業は受けられます(全く推奨しませんが)。
また、このメリットは学習期間が長期になればなるほど、発揮されます。学習期間が長くなれば、自身の体調が悪いときもあるでしょう。また、台風等、天候によっては通学が非常に大変なこともあるでしょう。そういった外的要因に全く左右されず、学習を進めることができるのは、非常に大きなメリットとなります。
なお、時間はともかく、通学すると「勉強せざるを得なくなる」という効果が一方ではありますが。
とにかく、近くに通学できる校舎がなくても大丈夫。それが、生講義<Web通信の評価理由となります。
授業時間の短縮
授業時間については、両者全く同じと評価としました。これについて、よく「1.5倍速で聞けるのでWeb通信の方が効率的」みたいなコメントがあります。確かに、1.5倍速で受講できれば、授業を受けている時間は短縮できるでしょう。ただ、理解できているかは全く別の話です。
別の記事で書きましたが、「授業の受け方」は短期合格を目指す上で極めて重要です。私のオススメは、「復習する時に授業を再現できるレベルになるよう受講する」ことが目標です。そして、それを実現するための「授業の受け方」が、1.5倍速の受講で可能なのか?
普通の人ならできないと考えます。なので、そもそも1.5倍速での受講という選択肢は除外になるわけです。むしろ、等速で聞いても理解ができない箇所がでる、それが会計士試験の講座だと思っています。
ただ聞くだけ、受講しただけで満足感を得たいなら否定はしませんが、短期合格するために授業を受けるなら、Webであっても等速で受講することをおすすめします。ということで、授業時間については、生講義、Web通信ともに差異なしとしました。
勉強仲間の作りやすさ
勉強仲間については、「生講義有利」と評価しました。そもそも勉強仲間、受験仲間が必要なのか?はこちらの記事をご覧ください。
さて、勉強仲間は必要とした場合、その仲間の作りやすさ、さらにリアルでの仲間という点では、やはり生講義でしょう。同じ教室で、同じ授業を幾度となく受けていると、仲間ができるきっかけは意外にあります。
いやいや、どうやって友達作るのよ?
と言われそうですが、きっかけは意外にあります。授業が始まる前の教室、授業の合間の休憩、授業後の質問待ちの時、答練の成績表が貼りだされている場所、ロッカー前の休憩等。最初のコンタクトはめちゃくちゃ難しいんですが・・・勉強仲間を作るチャンスは、生講義であれば数多くあります。
一方、Web通信の場合は、他の受験生と授業において触れ合うことはありません。もちろん、Twitter等のツールを使用することでつながることは可能ですが、Web通信の授業時でとなると機会はないでしょう。
そのため、勉強仲間については、生講義>Web通信と評価しました。
勉強環境は大事
勉強環境については、「生講義有利」と評価しました。もちろん、Web通信の環境が悪いというわけではありません。ただ、教室で、他の受講生がいる中で、目の前にリアルな講師の授業を聞く環境と、一人で自室で自由に授業を受ける環境では、緊張感が異なります。そして、緊張感、すなわち集中力へと繋がります。
考えてみてください。仕事終わりで疲れている、そんな時、自宅で一人、Web通信・・・の場合と、教室で頑張る他の受験生や、知り合いの受験生を見ながらの生講義の場合。どちらが集中できるか、やる気が出るかという話です。もちろん、一人で十分モチベーションが維持できるというなら、話は別ですが。
将来、自分が勉強している時をイメージしましょう。どちらの環境に身を置いた方が自分の集中力、モチベーションが維持できるのかを。
以上から、勉強環境については、生講義>Web通信という評価になります。
質問対応は圧倒的な差に
さて最後は質問対応です。こちらは、「生講義圧倒的有利」と評価しました。何より大きいのは、授業後にすぐ質問できることです。鉄は熱いうちに打てではないですが、授業を120%の集中力で受けたにも関わらず、理解できなかった時、すぐ聞ける環境は極めて優位性があります。
それが、Web通信等で、メール対応になると時間を要するでしょう。また、電話ですぐに確認できるとしても、実際に授業をした講師とそれ以外の講師では、自身が求める回答を得るまでの時間が変わってきます(前提の説明等も含め)。
私もかなり講師への質問をした人間です。そのため、この優位性を感じているからこそ、この点については、生講義>Web通信と評価しました。
「生講義」「Web通信」どっち? まとめ
いかがだったでしょうか。何となくわかってはいたけど、改めて並べてみると、なるほどと思ったこともあるのではないでしょうか。ご自身の生活環境によっては、どちらか一方しか選択できないというケースもあるでしょうから、あくまで参考までに。
なお、上記は生講義とWeb通信講義での比較ですが、個人的に重要なのは、やはり「どの専門学校を選ぶか」だと考えます。迷われている方は、是非、こちらの記事も合わせてご覧ください。
*「会計士試験で最も必要なこと」等、その他の気になるQ&A集はこちらから
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