逆イールドの何が悪い?
さて、トランプ大統領がFRBやパウエル議長への圧力を強める中、米の利下げがどのタイミングでくるかが最大の関心事。
そんな中、理解しておきたいのが「逆イールド」の話です。忘れがちですが、金利の話は、まわりまわって株価と関係ありますからね。そこで、下記のポイントでご紹介。
2. 逆イールドの何がおかしい?
3. 逆イールドが解消するとは?
4. 逆イールドと株価はどうなの?
それではいってみましょう。
逆イールドって?
端的には「長短金利の逆転」。2年や3年(短期)と10年(長期)の米国債金利差の話です。
*国債/国が発行する借金の券。保有すれば金利が得られ、満期日まで保有で償還、途中で売却も可。
そして、「逆イールド」とは、国債利回り10年<2年の状況を主に意味します。
逆イールドの何がおかしい?
いろいろ説明法はあるものの一例をご紹介。
✓ 金利はリスク!
例えば貸付。好調企業と業績低迷企業、両方に貸し出すなら、金利はどうなるか?前者(好調企業)は返済される可能性が高いでしょうが、後者(業績低迷企業)は怪しい・・・。
そうなると、金利は後者の方が当然、高くなりますよね。
✓ リスクを国債の償還期間に置き換えると・・・?
さて、話を戻して国債の逆イールド。償還期限は2年先と10年先のケース。国債購入=自分が国にお金を貸すイメージ。貸す側から見ると、どちらがリスクが高いか?
1年先すらわからんのに、10年先なんて・・・ですよね。
ということで、通常、2年や3年満期国債(=償還までの期間が短い方)の方が金利は低くなるのが正常。にもかかわらず、この関係が崩れ、10年満期国債の方が金利が低くなる異常事態=逆イールドとなります。
逆イールドが解消するとは?
逆イールド=国債利回り10年<2年の状況が解消するということ。つまり、至近で満期を迎える国債の金利の方が低くなる(=正常な状態に戻る)ことです。
逆イールドと株価の関係
さて、ここからがトレーダーには興味深いところ。あくまで過去の実績ですが、どういう動きだったかを見ています。
これまでの歴史だと、
①逆イールド発生から約1年半後に景気後退
②逆イールド中~解消直後に株価最高値、そこから下落
みたいな動きを辿る傾向があります。
ちなみに、直近では
✓ 2022年7月~2024年8月まで逆イールド
⇒ ということは、そこから半年以内にはリセッションに陥る可能性高かった?ということ。
では、結果としてS&Pの推移、見ていきましょう。

✓ 25年3月に急落/ただ、これはトランプ関税
✓ インフレ指標、労働指標等は堅調な推移継続
⇒ 逆イールド解消したけど、リセッションになってなくね?
というのが、直近の動きとなります。しかし、これは、相当レアケースです。基本、逆イールド解消の数カ月以内で、各指標がリセッションを示し、企業業績も落ち込むというのが過去の動きでした。
それだけ、トランプ政権が異次元というべきか。
*政策金利変更は、長期金利への影響もゼロではない。ただ、短期金利ほどストレートに影響しないので、結果として感応度が高い短期金利が大きく変動し、逆イールド解消へむかう。
まとめ.逆イールドと株価
いかがだったでしょうか。ポイントは以下に集約されます。
✓ 逆イールド解消後 → 過去の歴史では数カ月後に景気後退リセッション入り
です。
利下げの裏にリセッションありということです。金利を下げると資金が市場に出回り(銀行等から資金調達しやすくなるので)、経済が刺激されます。というか、それを狙って利下げをしています。
裏を返せば、景気後退のリスクが顕在化したから、利下げで経済を刺激する手を打っている、そんなところでしょうか。
とはいえ、現在の米経済はトランプ大統領就任以降は、この歴史に反する動きを見せているのも事実。結局、どうなるか将来のことはわかりませんが、、、あくまで確率の話としてご参考まで。
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