投資の格言はそのまま信じて良いものか?
さて、株式投資を始めて少し経つと、「投資の格言」的なものを見聞きすることが増えてきます。また、自分でも気になって調べたりしますよね。
✓落ちるナイフは拾うな!
✓頭と尻尾はくれてやれ!
✓もうはまだなり、まだはもうなり。
✓噂で買って、事実で売る etc…
この「投資の格言」は、先人達の知識の蓄積、集約であり、非常に参考となるものが多かったりします。なので、是非一度は、ネットで「投資の格言」と検索してください。
と言いながら・・・今回は、その「投資の格言」をそのまま信じていいの?という懐疑心から入ってみます。投資で大事なことの一つ、「他人の言うこと鵜呑みにすることなかれ」ということで。
そこで今回は、上記投資の格言の一つ、「卵は一つのカゴに盛るな」についての考察です。
「卵を一つのカゴに盛るな」とは?
まず意味からです。言葉そのままだと、
「卵を一つのカゴに持っていると、カゴを万が一落としたら、全ての卵が割れて全滅。だから。いくつかのカゴに分けて持っとけよ」
ということ。
それを株式投資に置き換えると、
という格言になります。…しかし、この格言、本当にそうなんでしょうか???
カゴが多すぎると、腐っている卵に気づかない!?
この格言を聞いて、
「よし!分散投資だ!100株ずつ、10銘柄!」
なんてことを考える人もいるでしょう。まぁ、このくらいの銘柄数なら問題ないかもしれません。それが、
「よし!分散投資だ!100株ずつ、100銘柄!」
になるとどうでしょう。購入自体は、銘柄の株価にもよりますが、ある程度資金があれば難しくはありません。ただ、100銘柄ですよ。保有している銘柄のこと、全て把握できますか?という話。
100銘柄くらい、自分が買ったので分かるでしょ

確かに。そのくらい、記憶はできるかもしれません。ただ、ここで話したいのは、銘柄名を知ってるだけで意味ないでしょ?ということです。例えば、ファンダ分析。保有している銘柄について、ファンダ分析で投資をしているなら、決算や適時開示等、IRに基づいて日々、データをアップデートし、投資継続可否の判断をする必要があります。
10銘柄くらいまでなら十分できますが、これが10倍の100銘柄になると・・・?
ファンダ分析ってそんな時間かからないでしょ?

もし、ファンダ分析は時間がかからないと思っているなら、それ、ファンダ分析もどきです。実際、ファンダ分析を行い、銘柄の評価・判断をするにはかなり時間を要します。
☑BPS、EPSやCAGRを使用した将来株価の試算
☑同業他社比較、ROA、ROE、ROICによる評価
☑決算会見等による足下の計画対比及び、直近の見通し、業績への落とし込み
☑アナリストリポートのチェック etc…
一部でもこれだけあります。もちろん、エクセル等のフォーマットで分析のネタはすぐ作れるとしても、それをしっかり検証・評価するには時間がかかるものです。特に、業種/業界が異なれば、なおさら。
それを100銘柄できるでしょうか?
そして、100銘柄について分析できない状況が続くと・・・購入した時と経営成績がガラッと変わっていても気づけず、その銘柄は株価下落の一途を辿ることも。
つまり、分散投資し過ぎたために卵が腐っても気づけないということです。
今の自分の保有資金と銘柄数、適切ですか?
まとめ.「卵はカゴを分けすぎても良くない」
いかがだったでしょうか?
分散投資は、リスクを分散するという点で非常に有用な考え方です。ただ、分散し過ぎると把握しきれず、放置する銘柄が出てくることも。自身の資金額や管理・分析に費やせる時間に応じた銘柄数を考えることが重要です。
何でもかんでも分散投資をすることなきように。
更新情報はtwitterで!
他の資格ブログは↓から
にほん ブログ村
コメント