006.暫定プライムとは何なのか?

会計士による投資の話
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Q.プライムに暫定で上場してるけど、条件満たせなかったら・・・上場廃止!?

さて、市場が再編され、現在は「プライム」「スタンダード」「グロース」となっています。ただ、再編時、一定の条件を満たせば、経過措置として「プライム」に残留できることになっていました。

その経過措置適用期限(25年3月)がついにきました。

そこで、
「暫定プライムだけど、要件満たしてなかったかも・・・」
「このまま、上場廃止??」
と気になる方へ。

今回は上場維持基準と経過措置と改善期間について、少しご紹介。

上場維持基準について

まずは「プライム」の上場維持基準をご紹介します。

基本は3つ。

①流通株式数 ②流通株式時価総額 ③流通株式比率

このいずれか(又は複数)が未達の場合でも、期間限定の経過措置でプライム上場になったのが「暫定プライム銘柄」となります。

もし、保有している銘柄が気になるなら、企業HPのIRを確認してみてください。「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況について」みたいなものが出ていれば、該当している企業です。

もし、暫定銘柄なら、どの条件が未達なのか、しっかり確認しておきましょう。

経過措置とは何?

「暫定プライム」とよく呼ばれていましたが、正式には「経過措置によるプライム銘柄」でした。つまり、東証プライム本来の基準より緩和した条件をクリアしている場合、25年3月末までは「プライム」市場に区分される措置該当銘柄のこと。

ちなみに、緩和した条件は以下です。

プライム市場の場合、流通株式時価総額は、本来100億以上が10億以上OKでしたからね。。。そりゃ、普通にしているといつまでたってもクリアできないレベルです。

ちなみに、当初、この暫定プライム該当は296社でしたが、多くが時価総額未達で経過措置適用というケースになっていました。
*ちょいちょい取り上げている3963シンクロフードも時価総額が未達。

改善期間

では、経過措置の25年3月末までに条件をクリアできなかった場合、即上場廃止・・・なんて噂されていましたが、そんなことはありません。

経過措置終了時点で未達の場合は、1年の「改善期間」に突入します。計画の提示等、諸条件ありますが、この1年の期間で改めて上場維持基準の達成を目指すこととなります。

ちなみに、引っかかっている企業が多い「流通株式時価総額」は、事業年度末尾直近3カ月の日々終値平均値×流通株式数を乗じる等、少し計算が分かりづらい点もあるので、自分で検算する場合は注意が必要です。

改善期間に何をするのか?

ここからはイメージの話ですが、意外に大事です。例えば、

✓ 現時点で暫定プライムのまま⇒改善期間中に達成できないなら、そのまま上場廃止
✓ 無策で上場廃止・・・になるとは思えない
   ⇒何か会社が手を打つはず?
✓ 流通株式時価総額が未達・・・時価総額を上げるには、株価の上昇が必要?
 ⇒ 株価上昇のための施策(増配、自己株取得等の強めの株主還元)があるかも?

あくまで例えば、の話です。もちろん、株主還元を打ち出しても到底達成が難しいケースもあるでしょう。その場合、ありがちなのが「市場区分変更」により上場を継続するケースです。

要は、今の市場区分(例えばプライム)から別の区分(スタンダード)へ変更するケース。これは東証のHPでも発生することを前提としており、下記のようなタイムスケジュールも示しています。

なので、無策でない限り、基本は上場廃止になるケースは少ないと想定されますね。

まとめ.暫定プライム銘柄は改善期間でどうなるのか?

要約すると、多くの企業は以下の過程を辿ると思われます。

✔︎ 3月末までにプライム条件未達なら、改善期間突入
✔︎ プライム残留のために手を尽くす(株主還元の実施)
⇒手を尽くしても無理っぽいなら、、、
✔︎ 並行してスタンダード等、他へ市場区分変更手続きを進める
✔︎ どちらに転ぶにせよ、いずれかの市場で上場は維持する 
流通株式時価総額のハードルはおそろしく高いと思いますが、保有銘柄に該当があるなら、株主還元を期待しつつ、突発的なIR発表を見逃さないようご注意を。


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