株式関連用語は難しいものが多すぎる問題
仕事として株式投資、証券に関わっている方ならまだしも、普通の人が見ただけではよくわからん用語が飛び交う世界、それが「投資の世界」です。
もちろん、その全てを知る必要もなければ、理解していなくとも投資でしっかり成績を上げられる人もいます。
ただ、小難しい株式用語を知っていれば、理解していれば勝率が少しでも上がるなら・・・勉強するのも悪くない。
ということで、今回は、新株発行される際の話をしてみたいと思います。難しい用語の話もあるので、まったり暇つぶし程度にご覧あれ。
そもそもなぜ「新株発行」するの?
新株発行すると株価下がるって聞いたけど、まじやめてほしい!

これ、あるあるですよね。私も新株発行⇒株価急落⇒爆損の被弾経験はあります。ただ、企業は、株価が下がっても新株発行をやる理由があるということで、そのあたり、ざっくりご紹介。
細かい理由はちょろちょろありますが、一番はこれです。要は手っ取り早く資金を調達したいという話。
それなら銀行から借りればいいだろ

確かに。ただ、銀行等からの借り入れと新株発行は同じ資金調達手段でもその中身が全く異なります。それは、「借金」か「出資」か。
借金は、返済しないといけません。それが出資の場合はない。ここが一番のポイントです。そのため、「返済要否」という視点では、新株発行による資金調達は重要な手法になります。
⇒違います。確かに、新株発行は返済義務がない一方で、株主からの権利行使や配当支払いが生じます。通常、配当利回りは借入利息より高く要求されるため、どちらが良いか、悪いかはその時々の企業実態によって異なります(資本コストの違い)。
ということで、時と場合になりますが、資金調達手法の一つ、それが「新株発行」です。
新株発行でなんで株価が下落するの??
新株発行で株価下落、ふざけんな!みたいなことを聞きます。事実、株価がそう動くことが多いんですが、なぜ株価は下落するんでしょうか?
その理由を知っているのと知らないのとでは、雲泥の差。ということで、次は新株発行と株価の関係についてご紹介します。
シンプルに言うと「需給が乱れる」ためです。どういうことかというと、新株発行前、市場は一定の株価で拮抗します。例えば下記の画像。3,527円と3,528円で拮抗しています。

ここに、新株発行が生じるとどうなるか?新株発行の場合、基準日(発行日等)の株価から一定程度、ディスカウントされます。

そもそも今の価格と同じなら、新株発行に申し込まなくても市場から買えばいい話。今の株価で買わない人に買ってもらうインセンティブを与えるため、通常はディスカウントされる。

つまり、今の株価(3,527円/1,400株)では買ってもらえないので、ディスカウントして安い価格-上図の黄色枠囲み(例えば3,518円/6,700株に、いきなり新株500,000株の保有者が発生する)みたいな感じです。
そうなると…少なくとも既存株主、これから買おうとする人が3,518円で買う意味・・・ないですね。また、新株取得した人は、もし購入価格より上であれば即売りたくなるでしょう。
こうして、売りたい価格、買いたい価格が一気に歪むので、株価が大きく変動する、また、新株発行は通常ディスカウントされるため、売買のベースとなる株価が下落する傾向が強い、となるわけです。
ざっくりなら、新株発行についてこんな感じの理解でOKです。
用語.「PO」「オーバーアロットメント」「グリーンシューオプション」「シンジケートカバー取引」とは何か?
新株発行にもいろいろな方法があります。その中で、小難しい用語が使われますが、そのあたり代表的な用語をご紹介します。
株式の公募、売り出しのことをPO(ピーオー)といいます。新株発行の場合、POと略す感じ。
「オーバーアロットメントによる売り出し」みたいな言い方をします。要は、一定の価格で株を売り出した時、想定以上に買いたい人が現れた場合の対応です。その場合、主幹事の証券会社がそのオーバー分の売りに対応するため、追加で株を販売するという仕組み。
想定オーバーしても売ることできるの?


当然、売るためにはその株が必要なので、主幹事が調達する必要があります。よくあるのは、大株主等から一時的に株を借入、それを売り渡すケース。
???
借りた株で売り渡すって自転車操業?借りたなら、返さないといけないんでは?


そのとおりで、一定期間経過後までに大株主へ返還することになります。そのため、別途、返済するための株を市場から調達する必要があるわけです。
なんかぐるぐる回してる感じだけど・・・


ですね。一時的な需給の変化への対応です。
ちなみに、主幹事が大株主等から借りた株を別途調達して返済する時は、グリーンシューオプションやシンジケートカバー取引があり、基本、損はしない前提です。
オプション?シンジケート?という用語は、また別の機会に。
まとめ.新株発行で株価下がる理由は分かったが、やっぱりふざけんな!
新株発行自体は、企業にとって重要な資金調達手法です。ただ、記載したとおり、一時的に需給が乱れ、株価が下落する可能性が高いのも事実。
大事なのは、その下落で慌てて狼狽売りするよりも、
「なぜ資金調達をするのか?」
「その資金がどのように使用されるのか?」
といった視点でも売買の評価をしてみるのが大事では?というお話でした。
更新情報はtwitterで!
他の資格ブログは↓から
にほん ブログ村
コメント